雑談 感染経路の判定は信用できるのだろうか

PCR検査で陽性者と判定された場合、感染経路の特定作業も行われている。発表された感染経路の中に、首をかしげてしまうものもある。


少し前の発表であるが、このようなものがあった。
バスの運転手が発症し、その1週間ほど前に県外客と思われる乗客とマスクをずらして会話したことが感染原因とみられている、とあった。本当だろうか。すごく不思議な気がしてならない。
このような感染経路と判断したのは、「この男性は毎日のように温浴施設を利用していたが、施設利用者からは他に陽性者が出なかった」「市中感染は考えられない」というものらしい。


まず不思議だと思ったのは、運転手と会話をした「県外と思われる乗客」が陽性者かどうか不明なこと。いくつか記事を読んだが、どこにもそのような情報はなかった。もしかしたらこの乗客が陽性者だったという情報を私が見落としているという可能性はある。しかし、もしもそのような情報が確認できていないのだとしたら、ただ単に県外客という理由だけで疑っているようにしか思えない。
この状況で、県外客が陽性だったと仮定し、その仮定の上で感染原因だったと発表しているのだ。本当にそれでいいのだろうか。


このような判断をしたのは、やはり何らかの原因があると思われる。
その一つは、「市中感染は考えられない」という思い込みではないだろうか。確かに、陽性判定された人が少ない地域であれば、市中感染は起こりにくいだろう。しかし、市中には症状のない感染者がいるというケースは想定されているべきだろう。また、本人が感染していないからと言って、ウイルスを運ばないわけではない。これは、次に書くもう一つの原因にもつながっていく。
私が考えるもう一つの原因は、「飛沫感染」を重視し、「接触感染」の可能性を排除しているのではないだろうかということ。誰かがどこかでウイルスの付いたモノを触り、そのままどこかに触ってウイルスを運んでしまう。その繰り返しが起こる中で、ウイルスが付いた手で目・鼻・口を触ってしまえば感染してしまう。この可能性は考えないのだろうか。


私は、感染経路不明者のうち、何割かは「接触感染」ではないかと疑っている。濃厚接触者がいなくても感染してしまうのだから、感染経路不明となるのは当たり前である。感染経路不明は存在するのが当然だと考え、感染経路の確度が低いものについては感染経路不明で発表すべきではないだろうか。