日本の労働環境 同じ失敗を繰り返すリーダーたち

会社の中で、同じ失敗を繰り返す管理職やプロジェクトリーダーがいないだろうか。私自身、何人も見てきた。

そのような人たちの数人に共通することがある。
それは、以前の失敗と今回の失敗とが、同じ失敗だと思っていないことだ。確かに、枝葉の部分は毎回異なっている。しかし、私から見ると、根っこの部分では同じことに起因しているように感じるケースが多々あった。
失敗した理由を上長へ報告するときも、枝葉の部分を理由とし、仕方がなかったのだという説明をしていた。それで騙される上長も問題だが、日本的組織においては上長が責任を追及することもないだろう。厳しく責任を追及されることがあったとしたら、それはもともとの人間関係や心情に問題があったと推測される。


リーダー個人としても会社組織としてもきちんと失敗の原因を考えていないので、同じ失敗を繰り返してしまうのだ。表面的なことではなく、きちんと根っこの部分まで掘り下げねばならないはずなのに。
しかし、これはそれほど簡単でもない。なぜなぜ分析とか真因分析とか呼ばれるものであるが、論理的に考えることを得意とする人がやらねば、とんでもない結論に辿り着いてしまうことも珍しくない。何度も目にしたことがある。きちんと分析をするためには、ある程度の素養も必要だし、それなりの訓練も必要だろう。


少し話がずれそうになったが、「きちんと考えることが苦手だ」という管理職が多数いるのが日本の現状だとも言える。
「考える時間があったら行動しろ」という言葉を聞いたこともある人も多いだろうが、「考える」ことを軽視している人もいるように思う。論理性より心理的なものが優先され、論理的に話をしようとしても話を聞く前の時点でシャットアウトしてしまう事例も目にしてきた。
ひとりでも多くの人に、論理的に考えることの重要性を認識してほしいと思う。少なくとも、何かに失敗したときにはその原因を考えてほしい。そして、そのような力を持っている人にリーダーになってほしい。