日本の労働環境 不思議な思考回路を持つ上司(権限を持つ人)

今回は、不思議な思考回路を持つ上司(権限を持つ人)の実例を書きたい。

まず1例目。
随分昔の話だが、とある会社でグループウェアの導入を検討するような雰囲気が持ち上がりはじめたときのこと。
情報システム担当役員が「うちの会社は情報共有なんか出来ていない。グループウェア以前の問題だ。だからグループウェアは無駄だ。」という論理展開をしていた。
なんと見当ハズレなのだろうか。情報共有できていないからグループウェアというツールを使う必要があるのだ。すでに十分に情報共有できているのであるからツールは不要だ、という論理であれば理解できるのだが。

続いて2例目。
15年以上前の話だっただろうか、いろいろな製品のメーカーが、自社のホームページ内に直販ページを設けることが流行っていた。そんなとき、とあるメーカーでも直販ページの作成を検討することになった。今であれば通販サイトに出店するだろうが、当時は自社サイト内で構築することも珍しくなかった。
直販サイトで重要なことのひとつが、決済手続きを安全に、確実に行えるようにすることだ。直販ページ検討プロジェクトリーダー格の部長が、「運送会社と提携して代引き決済に統一すればいいじゃないか」と言ったことがあるらしい。
なんと馬鹿なことか。自分用に買うものばかりではなく、贈答用として購入していただくこともあるのに。贈答用として受け取った人が運送会社に代金を支払うという、不思議なことが起きるのだ。
システム内部のことがわからないのは仕方がないとしても、誰が注文をし、誰が商品代金を支払うのか、そのあたりすらイメージできないとしたら、部長職クラスとしては脳の欠陥を疑うレベル。商流や物流のことを意識できなくても許されるのは、せいぜい入社数年までだろう。

今回はこのあたりで。また、そのうち書くかも。