雑談 劇場での集団感染発生について思うこと

先月末から今月初旬に行われた舞台において、集団感染があったとの報道がある。このことから、劇場や舞台を危険視する人たちがいる。少し冷静に考えてみるべきではないか。


何を考えるべきなのか。それは感染経路だ。感染経路によって対策が異なってくるはずなのだから。
まず、どのような感染経路が想定されるか。可能性を考えるならば、以下のようなものが挙げられる。

  • 出演者がファン対応で握手などをしていたとの情報もあるが、もしも本当なのであれば可能性としては十分に考えられる。
  • 舞台上演中ではなく、ロビー等での飛沫感染。出演者ではなく、主にはスタッフからの感染、あるいは観客同士の感染。
  • ロビーやトイレ等のドア、その他の設備を触り、その手で目・鼻・口を触ったことによる接触感染。
  • 舞台関係者とは関係なく、観客同士での感染。ただし、複数日での感染が確認されていることから、可能性は低い。


この中で、舞台関係者による対策が可能なものと困難なものとがある。舞台上演中の飛沫感染や、出演者との接触による感染だとすれば、それは対策が可能だろう。
対策が難しいものは、観客同士の感染、あるいはモノを介した感染だ。そしてこれらは劇場固有の問題ではなく、普段の生活の中でも十分に発生し得ることだ。
つまり、劇場で起こったことなのだから劇場が危険だと短絡的に考えるのではなく、それ以外でも起こりうることなのかを考える必要があるということだ。劇場固有の問題について対策されているかどうかを気にするのは理解できる。しかし、劇場だからという理由で危険視する必要はない。


モノを介した感染に限っては、これは政府や自治体の不作為によるものだと言いたい。なぜならば、モノを介した感染を知らない人が多すぎるけれど、それは行政が周知をしていないと感じられるからだ。
ウイルスが付いたモノを触ることで手にウイルスが付き、その手で目・鼻・口を触ることで感染する、このことを知らない人が多すぎる。目・鼻・口を触らないことを徹底すれば、感染リスクを大きく下げられる。このことをもっと周知すべきではないのか。
「マスク」「3密」「ソーシャルディスタンス」ばかりを言っているので、それ以外の対策を知らないのだ。感染拡大を防止したいのであれば、行政も考えてほしい。

 

(追記)
とある人から、「目・鼻・口から感染するなんて聞いたことない。嘘を言うな。」という主旨のことを言われた。
まさにこれこそが問題なのだと感じた。なお、この「目・鼻・口から感染」については厚生労働省のサイトにも書いてはあるが、あまり周知されていない。「新型コロナウイルスの感染経路として飛沫感染のほか、接触感染に注意が必要です。人は無意識に顔を触っています!」と書いてあるのに、知らない人が多い。