雑談 「正確に伝える」ことの難しさ

誰かに何かを伝えるとき、正確に伝えることが難しいと思っている。思想、信条や常識等に係わるものであれば、きちんと伝えることが難しいのは当然である。それまでの生きてきた環境や人間関係によって、それぞれの人格や価値観などが異なってくるのだからやむを得ないだろう。しかし、そうでないもの、例えば論理的に説明できるものであっても簡単ではない。
それは、相手側にも前提知識が要求されることがあるためだ。


相手側に十分な知識がない場合、「正確ではないけれど概ねこのような理解で構わない」という説明をすることがある。これは、学校の授業でも行われることである。
例えば、小学校では「三角形の内角の和は必ず180度になる」と教わるが、それは正確ではない。しかし、小学生に対して教えるのであれば、それは正しいだろう。小中高で学習する範囲であれば「必ず180度」で問題ない。もし、180度にならないケースを説明しようとすると、混乱する生徒も出てくるだろう。


誰かに説明しようとしたとき、どの前提条件から話をすれば伝わるのか、相手の反応を見ることだろう。それで、話すレベルなどを変えながら、何とか伝えようと努力をする。
しかし、相手によっては前提知識が不足しすぎているなどの理由で、どうしても伝えることが出来ないこともあるだろう。その様な場合どうするか。「概ねこのような理解で構わない」レベルを大きく下げてでも通じればよしとすべきだろう。それすら通じないようであれば。残念ながら諦めるしかないだろう。