雑談 一般人をだまそうとする有識者たち

よく、本やテレビなどで有識者がコメントを述べている。そのコメントで、一般の人をだまそうとしている人がいる。
やり方として、嘘を述べるのではなく、ある一面から見ると正しいことを述べるのである。ただし、別の面から見ると正しくはないのに、そのことには触れないようにしている。本来、有識者であれば、多くの視点からの考え方も述べた上で、最善であると考える理由を添えてコメントするべきではないだろうか。情報不足の一般人をだまそうという姿勢にしか見えない。実に不誠実だなあと感じる。

ひとつ例を挙げよう。
とあるところで、年金は払込みをしないと損だ、というコメントを目にしたことがある。損だという理由は、次のような感じだった。
支給される年金額には、徴収された年金保険料だけではなく税金からの負担分も上乗せされる。消費税で税金を支払っており、年金未納で将来的に年金を受給できないのであれば、税金を支払っている分が還元されないので損だ、という論理だった。
消費税を負担しているのに戻ってこない、という点では正しい。ただし、国民年金を全期間納付したところで、生活できる程度の年金額にはならないことにも触れるべきだろう。
国民年金で生活できないのであれば、生活保護を受給することになる。生活保護を受給するのであれば、国民年金を納めない方がいいと考える人もいる。
当然、有識者であれば、その考え方も知っている筈なのに触れないのは問題があるだろう。生活保護と年金の考え方に対する反論も添えなければ、損かどうかの結論は出ないはずだ。

有識者の意見であろうと、無条件に信用するのではなく、他の意見も見てみるべきだ。ネット時代なので、他の意見を探し出すこともそれほど難しくないだろう。嘘や誰かをだまそうとしている情報もあるだろうし、取捨選択を間違えてしまうと誤った考えに染まってしまう恐れがあり、そこは気をつけなければならない。