雑談 県をまたぐ移動自粛に効果はあるのだろうか

緊急事態宣言を解除された県であっても、県をまたぐ移動は自粛するように求めているという。私個人としては、効果があるようには思えない。

もしも、感染者が著しく少ない県であれば他都道府県から感染者が流入してくることを防げる可能性はある。しかし、すでに自都道府県内にある程度の感染者がいることを想定した場合はどうであろうか。他都道府県からの感染拡大は許せないが、自都道府県内での感染拡大は許容するということであろうか。どちらであっても、感染拡大という結果に変わりはないのだが。


例えば、(まだ本日時点では緊急事態宣言を解除されてはいないが)大阪府兵庫県を例として考えてみよう。両府県ともある程度の感染者が確認されており、症状の出ていない感染者も少なくないことは想像できる。
大阪府から兵庫県(あるいはその逆)への移動を自粛したとして、府県をまたいだ感染拡大はないが、それぞれの府県内で感染拡大は発生してしまう。まあ、公共交通機関を使った移動途中での感染を抑制できるという効果はある。
しかし、ここでもう少し考えてみたい。県をまたいだ移動は自粛を求められていることについて、言い換えると、それぞれの府県内での移動は構わないと考える人も少なくないであろう。
大阪市から高槻や吹田、岸和田などへ移動したとしたらどうなるであろうか。神戸から姫路や赤穂へ移動したらどうであろうか。

すでに緊急事態宣言が解除されたところ、例えば福岡県と隣県を例としてもよかったのだが、福岡県の規模が他県と比べて圧倒的に大きくて、流出と流入のリスクバランスが取れないように受け取られる懸念があった。大阪府兵庫県であれば、お互いにある程度のリスクがあるだろう。この、お互いにリスクがある状態のほうがイメージしてもらいやすい気がした。


自粛警察と呼ばれている人たちがいるが、彼らの中に、他都道府県ナンバーの車に対して攻撃的な態度をとる人もいるようだ。他都道府県の感染者は怖いが、自都道府県の感染者は怖くないということであろうか。感染率(単純な感染者数ではなく人口当たりの感染者数)が極端に異なる地域の移動であれば理解できなくもないが、「他都道府県だから」と攻撃するのはまったく理解できない。とは言え、本当の感染者数が分からないので、感染率がそれほど意味を持つわけでもない。

 

(追記)
県を越えた移動がある人とそうではない人について、他の人を感染させた割合を調査したとの記事を読んだ。それについて感じたことを書いておく。
雑談 県を越えた移動を制限するべきだとの意見について思うこと