日本の労働環境 名前と実態が一致しない 企画部門

多くの企業で、営業企画や経営企画などといった、企画部門があるだろう。
それらの多くは、実態として企画をしていることはほとんど無い。というより、見たことが無い。知人に聞いても、企画をしているような例は知らないという。まあ、私が見聞きしたことのある企業のことしか分からないので、全ての企業に当てはまるものでは無いだろうが・・・。
まあ、理由も分からなくはない。企画を行うには、それなりの人材、人員が必要だが、その余裕がないのだ。とある会社の営業企画部門で、部長1名、新人社員1名という構成だったこともある。この人員で何ができるというのだろう。その部門で行っていた業務の実態としては、全社の数値の集計が主で、営業部門から出てきた要望取りまとめや調整、役員から営業部門への通達窓口、などもあったようだ。「企画」業務とはかけ離れている。
その他でも、色々な企画部門を見てきたが、実態は似たようなものだ。企画などしていない。人数的には多少余裕があるように見えても、主業務としては先の営業企画部門とほぼ同様である。企画部門にいる人員自体、他の部門で高い評価を得られずに異動してきた人が多く、適性が企画向きかどうかで判断されていないのだ。この、適性を考えない人材配置の問題は、このブログで繰り返し触れてきたことでもある。

恐らく、企画部門を立ち上げようと決めたときには、何らかの意図があったはずである。最初は、その分野に力を入れる、という思いがあったであろう。しかし、実態が伴っていない。まさに、仏作って魂入れず、である。組織図上に企画部門の名前があるだけで満足してしまっている。そのような企画部門であってもコストは発生しており、当然、サービスや製品の価格に反映することになる。文房具などの小さなコスト削減を叫びながら、大きなコスト削減は行われないという、不思議な日本企業。今よりコストをかけてでも本来の企画業務を行うのであれば、全社視点で効果が上がり、意味のあるコストになるかもしれないけれど・・・。

企画部門の立ち上げで、特殊なケースがあったことを思い出した。とある課長を昇格させたいが、どこの部門も部長職がいて、空きポストが無い。では、企画部門を作ってそこの部長にしよう、という感じだ。当然、企画業務の適性が高いかどうか、ということは考慮されていない。