雑談 株価は半年先の景気を織り込んでいるという説

よく、株価には半年先の景気が織り込まれている、という話を耳にする。
これって本当なのだろうか、という疑問を持っている。どちらかというと、株価に引きずられて半年後の景気が形成されているのではないかのではないだろうか。
1929年の世界大恐慌のときもそうであったろう。確かに、大恐慌となる以前には資本や設備への過剰投資によって生産過剰となっていたようだ。どこかのタイミングでは在庫調整・生産調整が行われただろう。しかし、それが自然に行われたものであれば、あそこまで急激な大恐慌となったであろうか。大恐慌による世界での失業者数は5000万人を超えていたとされている。なお、当時の人口は推計で20億人程度であり、全人口の40人に1人に相当するのである。
世界大恐慌の直接的引き金は米国株の大暴落であり、そこから企業倒産、銀行閉鎖、経済不況が一気に広まったようである。米国株が急落しなければ、緩やかな経済後退があったとしても、世界大恐慌までは至らなかったのではないか。

金融屋が投機をして株や債権の価格を操作した結果で景気が左右され、それが実体経済に波及しているように思える。将来の経済を株価が織り込んでいるのではなく、株価によって将来の経済が決まるのではないか。
景気というのは、空気感とか気分とか、そういったものであるから株価によって左右されてしまうのだろう。金融ゲームをしている一部の人たちによって、大多数の一般労働者の生活が狂わされてしまうこともあるわけだが、すごく歪んだ世界ではないだろうか。

ただ、将来のことを株価に織り込むことが全く無いわけでもない。現在の日本株のように、半年後に増税することが見込まれているので、消費が上向くことは期待できず、その結果として株価も上がらないというケースもある。