雑談 デフレでもいいと考えている人たち

モノが安く買えるのでデフレでもいいとか、それどころか、デフレの方がいいとまで言っている人たちがいる。確かに、インフレがいいかと言うと、一概にそうと言い切れない部分はある。また、デフレの原因が、技術革新でモノを安く作れるようになったのであれば、物価が下がるのも悪くはない。しかし、現状の日本を見る限り、各個人が使えるお金が少なくなり、購買力が下がった結果として安いものしか売れなくなったと感じられる。
単純にデフレがいいと考えるのも短絡的だ。少し、別の角度からも考えた方がいいだろう。

世界中が経済停滞し、デフレ傾向にあるのであれば、デフレでもいいのかもしれない。しかし、現実は諸外国は経済成長し、物価は高くなっている。
するとどのようになるかと言うと、海外製品は相対的に高くなっていく。海外では1時間程度働けば買える物が、日本人にとっては1時間の労働では買えないのだ。逆に見ると、海外の人たちから見ると、日本の物価が安く感じられる。
実際、すでにそのような状況になりつつある。海外からの旅行客が増えていて、動画投稿サイトなどでも感想の動画をアップしているものを見ることができる。その中に、安くておいしいものが食べられる、という感想も珍しくない。為替レートの関係もあるかもしれないが、海外の方からも、日本の物価は安いと感じられるレベルということだろう。

そのように、日本だけが海外の経済成長に置いていかれると何が問題なのか。資源や海外製品を買おうとしたときに、諸外国との価格競争に負けてしまうということ。競争に勝とうとすれば、日本人にとっては高い価格を提示しなければならない。無理に高い価格で買ってきたものは価格に転化されるわけだが、当然日本人にとっては高い価格となる。当然、円高であれば無理することなく海外製品を買うことはできる。しかし、円高が過ぎると日本製品が海外に売れなくなるので、為替レートはある程度のレンジに収まるであろう。もしかしたら、今の感覚からすると円高であったとしても日本製品が海外に売れる、というほどに日本製品が安くなっていく可能性もある。
魚資源も諸外国との買付け競争になってきているようだし、回転寿司もいつまで気軽に食べられるだろうか。

将来、日本が世界の工場となる時代となる可能性もゼロではない。よい製品を作るからではなく、単純に安く作れるから、という理由で。
もう既に遅すぎる気もするけれど、企業も個人も内部に資産を溜め込むのではなく、社会に循環させるマインドにならなければ。