雑談 浪費と貯蓄

よく、無駄遣いするな、将来のために貯蓄しろ、という話を聞く。
昔から、それってどうなんだろう?という疑問を持っていた。本当に浪費は悪で、貯蓄は善なのか?

貯蓄するということは、そのお金は社会に回らないということ。正確には、金融機関が投資などに使うので、経済活動から無縁ではないけれど。個人がお金を使わないのであれば、企業も設備投資には慎重になるだろう。実際、民間企業も設備投資に積極的でないとも聞くし、どれだけ有効にお金が回っているんだろうなあ。
一方、浪費するということは、社会にお金を回すということ。つまり、GDPに貢献しているのだ。
全体の経済から見ると、貯蓄するよりも浪費している方がプラスなのだ。

確かに、全く貯蓄をしないで浪費をしていると、将来年金だけで生活できずに、生活保護となることも考えられる。しかしそれは、それまでに日本全体の経済に貢献してきた結果、と言えるのかもしれない。
もし、浪費をする人がいなかったら、日本全体の経済、GDPは今よりもっと悪いだろう。自分の収入以上に浪費するのは論外だけれど、浪費と貯蓄、果たしてどちらが日本のためなのだろうか。
ある程度の貯蓄があればいい、どんどんお金を使おう、という気持ちにならなければ、日本の経済は縮小していく一方だ。個人がお金を使うようになれば、民間企業も設備投資に積極的になり、さらにお金が回るような社会が期待できるのではないか。老後の生活を社会に頼れない、貯蓄をしなければ将来が不安だ、というマインドにしてしまった政府の誤りの結果だろう。

それともうひとつ。将来の不安をあおり、将来のために貯蓄をすることを勧めている人たちに言いたい。あなた方が貯蓄を勧めるのであれば、それは日本のGDPを下げる圧力となり、さらに日本の経済が縮小することにつながる。不安だから貯蓄をしたところで、日本全体の経済が悪くなってしまうのであれば、貯蓄という行為そのものが無意味どころか、それは害悪だろう。貯蓄はそこそこでいい、日本全体の経済を底上げすることが将来の不安解消につながるのだ、と考えて欲しい。