雑談 日本人は道徳性が高いという幻想

よく、日本人は道徳性が高いということを耳にする。それは本当なのだろうか。
道徳という概念自体、定義がはっきりしているわけではないけれど、「社会正義」「利己的ではない」「他人を思いやる」などは当てはまるだろうと思われる。

現実社会を見てみると、到底道徳的ではない行いを耳にすることも珍しくない。ブラック企業問題であるとか、国家公務員の隠蔽や虚偽説明、学校でのいじめ問題、特殊詐欺事件、いくらでも頭に浮かんでくる。
最近では、某地方自治体が少しでも多くふるさと納税をしてもらうために、なりふり構わない返礼品を提供している例もある。自分の自治体だけが潤えばいい、他の自治体のことはどうでもいい、日本全体での税金が無駄になろうとどうでもいい、という考え方なのだろう。なんと利己的なのか。
このような考え方を持つ人が、地方自治体の長であり、地方自治体の職員なのである。これで道徳がどうとか、よく言えるものだ。

道徳性の低い人たちが自治体を運営する側にいながら、その地域の学校でどのようにして子供たちに道徳教育していくというのか。会社経営者側の道徳性が低くて、どのようにして道徳的な活動ができるというのか。

しかしそれでも、世界的に見ると日本は道徳性が高いほうなのかもしれない。だからと言って、今のままでいいと考えて欲しくない。周りと比較してまともなほうだからこれでいい、ではなく、自分たちが住みやすい社会を目指していきたい。