日本の労働環境 どうすべきなのか その11

前回、日本の労働生産性を上げるためには雇用改革が必要であり、失職した人たちは社会的セーフティーネットで救っていくしかない、そのように書いた。
その社会的セーフティーネットについて、生活保護の制度を無くしてしまって、ベーシックインカム制度のほうが単純でいいかもしれないように思えてきた。生活保護であれば受給資格審査や状況確認など、行政コストも必要であるが、そのような無駄も無くしていける。
ベーシックインカムを皆が受け取り、最低限の生活は出来るようにする。最低限なので、それだけでは余裕のある生活は望めないだろう。働いて得た収入は単純に上乗せとなり生活に余裕が生まれるので、余裕がほしい人は働くことを選択するはずだ。
なお、ベーシックインカムという制度ができれば、最低賃金の額も変わってくるだろう。最低賃金というのは生活を維持する上で必要な収入を得るためのものだと思っているが、ベーシックインカムで収入は底上げされるので最低賃金は大きく下がるだろう。その最低賃金で労働者が集まるかどうか、というのは別の問題で、他と比較して相対的に賃金が高くなる職種もあると思われる。今まで生活のために低賃金で働いていた人たちが我慢をする必要がなくなり、低賃金では働かないという選択をする可能性が出てくるからだ。その逆に、人が集まりやすい職種は賃金が下がっていくだろう。
当然、ベーシックインカムの予算をどうするのか、という意見もあるだろう。国や自治体の予算は今のままで、ベーシックインカムを上乗せすることが出来るわけではない。全予算をどのように配分するのかを見直す、国の意思次第だ。

ベーシックインカム導入には、生活保護・年金・医療保険などの社会保障の考え方の見直しが必要になる。金額的に大きな年金制度が破綻するのは目に見えているし、何もしないわけにはいかない。次に大きな金額である医療費も、問題だと思っている。医療費改革を進めていくことは必須だ。病院にいく必要のない人をどうにかするだけでも、医療費をかなり削減できるはず。朝の6時や7時くらいから病院の前で順番待ちをしている高齢者を見かけるが、それだけ元気なら病院にいかなくてもいいのでは?と思う。自分自身が患者ではなく、家族のための順番待ちというケースがあるかもしれないが。
労働環境を考えてくるまで、ベーシックインカムということ自体、頭にあったわけではない。社会保障制度改革そのもので、今まであまり考えてきたわけでもないので、考えがまとまっていない。
このあたりは、考えがまとまれば書いていきたい。ただ、書くのは随分先になるかも知れない。

前回も書いたが、繰り返しておきたい。社会的セーフティーネットを「働かずに生活するのはずるい」「許せない」ではなく、仕事の邪魔をしないでくれたことに対する報酬だと考えてほしい。会社の中には何もしないどころか邪魔をする中高年社員がたくさんいて、その人たちが高額の収入を得ていて、その人たちを解雇することができるような解雇規制緩和が必要で、解雇規制緩和を実現するためには社会的セーフティーネットも必要だ、と。

次からは、今まで書いてきたことの補足や、おかしな仕事の実例などを書いていこうと思う。おそらく、話題があちこち飛んでいくだろう。