日本の労働環境 どうすべきなのか その2

前回、年長者を働かせるために社会全体でコスト負担していると述べた。
その大きな原因は適性に応じた人材配置を出来ていないことだと思う。当然、若い人であっても適性のない業務を行うことは大きな無駄であるが、管理職の場合は比較にならないほど影響が大きい。以前も書いたが、適性の無い人が管理職になれば「説明しても理解できない」「何も判断しない」「成果を適正に評価を出来ない」などマイナスの効果が大きい。
もしもきちんと適性にあった業務を担当しているのであれば、それは会社にとってもプラスであり、社会全体にとってもプラスである。現実的にはそうなっていないわけだが。

例えば、経理課長のポストが空いた場合、経理課内から昇格させることもあるだろうが、営業などの畑違い部署から課長がスライドしてくることもある。このとき、適性を考えてスライドさせるのであれば問題ないが、多くはそうではない。例えば営業で何か問題があったとか、単純に営業部長とそりが合わないだけという事すらある。あるいは、営業部署で成果を出して(と評価され)、課長職に昇格させたい場合に、他にポストがなく、経理課長のポストが空いているという理由で経理課長に就かせることもある。当然、経理業務の適性や、課長職としての適性などは考慮されない。
このような異動は珍しくない。以前に書いた、何かに突出した専門家を求めるのではなく、色んな分野を平均的にこなせる人間を育てようとする理由がこんなところにもあるのだろう。

なぜ適性を考えない人事が行われるのか。人事部が無能であるとともに、やはり制度そのものがおかしいのだろう。

続きます。