日本の労働環境 無能な上司その1

日本企業内にいる、無能な上司について書いていきたい。
多くの会社で、月末または月初くらいに営業部課ごとに会議を開いていると思う。一ヶ月間の営業成績・活動報告の会議だ。
その中で、予算目標をクリアした担当は数値を述べ、ほんの少し言葉を添える程度のことが多い。一方、予算目標に達しなかった担当は長い言い訳をすることになる。部課長たちも、予算目標に達しなかったことを延々と責めるのみである。
これでよいのだろうか。不思議なことに、部下の側もあまりこの形式に疑問を持つことが少ないようである。

まず、予算目標をクリアした担当の場合でも要因について分析しなければならない。今回だけの一過性のものなのか、来月以降も継続性が期待できるものなのか、あるいは半年・1年毎の周期的なものなのか。
また、どの商品を、どの顧客に、どのようなアプローチをしたのかという営業手法も重要だ。他の担当、他の支社にも展開できる手法なのか、検討することも必要なのだ。

予算目標をクリアできなかった場合の対応は最悪である。まず、予算目標をクリアできないであろうことを会議の場まで知らなかったのであれば、部下のことを何も把握できていないということだ。部課長自ら「自分は無能上司です」と言っているようなものだ。
もし、予算目標をクリアできないことを事前に把握していながら何も手を打たなかったのであれば、それは無能ではなく害悪である。本来責められるべきは自分の仕事をしなかった上長自身である。
部下が目標をクリアできないことがわかっている場合、日常的に叱責をする上長もいる。叱責が仕事だとでも思っているのか。目標をクリアするために何をすればよいのか、具体的な対策を示すことができないのであろう。責めるだけでは何も解決せず、時間も無駄にするだけだというのに。ある意味、何もしないことより悪である。
最近は、上長自身もプレイングマネージャーとして個人目標を背負っている場合もあるだろう。部下の個人目標を捨て、上長自身の個人目標、部課全体の目標を優先したのであれば、会議の場で責めることは間違っているのである。

残念ながら、このような部課長が圧倒的大多数である。