日本の労働環境 人材配置の問題その3

管理職が適性の低い分野に配属された場合に生じる人事評価について記述する。
部下を評価しようとしてもあまり知識の無い分野なので、業務の難易度は当然理解できない。では、どのような基準で評価するのか。
よく見受けられるパターンとして、高い評価を受けるのは「残業の多い人」「忙しそうに見える人」「お酒に付き合う人」「上司の考えに反対意見を出さない人」などがある。
随分昔だけれど、ひどい管理職との面談で「自分には成果がどれほどのものか解らないので、残業時間で評価を付けた」とはっきりと言われたことがあった。ここまではっきりと口にすることは少ないだろうが、評価基準としては珍しくないと感じている。

学校を例にするとイメージしやすいと思うのだが、数学が30点の人は数学が70点の人、80点の人、90点の人の解答用紙を正しく採点できないだろう。ある程度の能力があれば、正確な採点ができなかったとしても、どちらが高い点数なのかくらいは分かると思われる。その、ある程度の能力すら持っていない人が成果を評価できるだろうか。
全員が同じ問題用紙を使うのであればともかく、会社の中での評価はそれぞれ違う問題用紙を使っているのである。問題用紙の難易度もわからない状態で評価をしなければならず、知識の無い人が評価をすること自体無理なのだ。

しかし、これが日本の会社の中では当たり前のように行われている。そのような中で評価される人が優秀かどうか正しく反映されているわけではないということ。

続きます。