日本の労働環境 PDCAサイクルを回せない日本企業その1

今回は少し話題を変えて、日本企業ではPDCAサイクルを回すことが出来ないことを述べたい。
PDCAとは、目標を実現するための行動を計画し、計画に沿って実行し、結果を評価し、評価した結果を元に計画を見直していくというものだ。そもそも、PDCA自体がどれほど効果があるのか疑問を持つ人も多い。私もその1人である。その効果に対する疑問はいったん置いておいて、PDCAの手法に沿わない実運用になっていることを問題にしたい。

まず、計画フェーズでは、何かの目標を立て、その目標を実現するための行動指標を考える。この行動指標が目標にリンクするものかどうか、仮説を含んでいることが多い。仮説を含んでいないようなものは、目標や行動指標が数値的に適切かどうか、だけが結果の評価だろう。
実行フェーズは、単純に計画通りに行動するのみである。現実には、計画したとおりの行動指標を満足できないことも多いが、そのこと自体は問題ではない。できなかったと、きちんと評価すればよいだけである。
計画内容そのものの良し悪しはあるだろうが、計画フェーズや実行フェーズは何とかなるだろう。問題となるのは評価のフェーズだ。
評価のフェーズで本来の行動指標を満たしていなくても、満たしていたことにするのが問題なのだ。本来の行動指標Aではなく、Aに少しでも近いもの、A´であってもAであると見なして評価するのだ。ひどいものになると、目標に対する結果数値、行動指標に対する結果そのものを捏造することもある。

このことにより、行動指標を満たしていても目標が実現できなかったという評価が生まれてしまうことがある。実際には行動指標と目標の間に関係性があったとしても、関係性がないように見えてしまう。

それでは計画時の仮説が正しいかどうか評価ができない。評価ができなければ、計画の見直しも出来るわけがない。

次回に続きます。