日本の労働環境 問題意識を持たずに仕事をしている人たち

自分の業務に漫然と取り組み、問題意識を持っていない人たちがいる。これは、担当者レベルだけではなく、管理職や役員レベルの人たちにもいる。


とある物流企業において、システム更改を検討していた。そんな中、入出庫業務の担当課長が次のような話をしていた。
「現在は入出庫のミスが起きることがある。これが新しいシステムになることで改善される。」

その話を耳にしたので、現行システムのどのような点に問題があるのか、その担当課長に尋ねてみた。例えば、入力で分かりづらい点があるのか、入出庫の指示書にミスを誘発するような分かりにくさがあるのか、どのように認識しているのかを確認したかったのだ。しかし、答えは「問題点がどこにあるのか分からない」というものだった。
つまり、入出庫ミスの原因がどこにあるか考えたことが無いが、とりあえずシステムの問題だということにしていただけだった。現行システムのどの部分に問題があると認識していれば、その点を改善することで入出庫ミスを減らすことは期待できる。しかし、問題点を浮き彫りにすることもないまま新システムになったところで、入出庫ミスを減らすことなど期待できるはずもない。


このように、ただ漫然と自分の業務に取り組んでいる人は珍しくもない。問題点や無駄の洗い出しをすることもなく、業務効率を高めようともしない。
これは以前に書いたことにも繋がるのだが、無駄を無駄として残し、忙しそうにしている姿を周囲へアピールすることが正社員として生き残るためには大事なことだ。問題意識を持ったりするよりも漫然と仕事をこなすほうがいい、そのような意識になるのも必然かもしれない。