雑談 アムステルダム市のガソリン車禁止について思うこと

オランダのアムステルダム市で、2030年からガソリン車を全面禁止とする計画があるという。
ガソリン車が使えないとなると、代替は電気自動車か燃料電池車が想定される。現時点で燃料電池車はまだまだ実用的なレベルとは思えず、あと10年ほどで普及できる気がしない。現実的には電気自動車への切り替えとなるのだろう。
電気自動車となると、充電時間のことが気になってしまう。ガソリンであれば数分で給油できるけれど、電気自動車ではそうもいかない。家庭用電源だと一晩、高速充電スポットでも30分かかってしまう。ガソリン車をすべて置き換えるとなると、相応の充電設備を整備しなければならないだろう。

ガソリン車を禁止する目的として、環境汚染としての排ガス問題が挙げられている。その上、温暖化対策として二酸化炭素排出を抑制する効果も期待できるという。環境汚染問題は理解できる。しかし、二酸化炭素排出は効果としてどうなんだろうか。
温暖化と、二酸化炭素の関係について疑問を持っている人もいる。その疑問はいったん置いておこう。問題は、オランダが抑制したところで、世界規模ではほとんど影響しないということだ。
2017年の二酸化炭素排出量を国別に見ると、中国と米国で 40%以上を占めており、オランダは 1%にも満たない。さらにその中で、ガソリン車が電気自動車に置き換わったところで、効果は本当に微々たるものだろう。
しかも、電気自動車に給電するために発電しなければならず、そこで発生する二酸化炭素も考慮しなければならない。残念ながら、私はそのあたりの細かな計算をするだけの知見が無いので詳細は分からないのだけれど、二酸化炭素の発生をゼロと見なすことは出来ないと思う。

単純に環境汚染問題だけを前面に出せばいいのになあ、という思いである。「温暖化対策」というキーワードを持ち出せば市民の理解を得やすいという考えでもあるのだろうか。