雑談 変異株は若年層も重症化するので怖いという意見に思うこと

新型コロナの感染状況で、変異株の割合が高くなっているとの報道がある。その変異株について「若年層も重症化するのだから怖い」ものだ、という意見も目にする。
「若年層も重症化する」ことは事実だとして、それが直ちに「怖いものだ」となるのだろうか。疑問を持っている。


従来の季節性インフルエンザの数値を見てみよう。
令和元年9月2日~令和2年4月5日の入院患者数のデータがある。これは基幹定点医療機関(約500か所)からの届出数の集計である。
入院時ICU入室となった患者数が、累計で621人。そのうち60歳以上が298人で約48%というものであり、約半数が60歳未満である。10歳未満に限ると、145人、約23%となっている。1歳未満でも19人、約3%だ。
入院時人工呼吸器使用を見ると、累計で461人。60歳以上が265人で約57%。10歳未満で、75人、約16%。1歳未満で4人、1%弱。


この数値を見るとどうだろうか。「若年層も重症化する」のは変異株だけだろうか。従来のインフルエンザでも若年層も重症化していたのだ。新型コロナの変異株が特別なのではない。

「若年層も重症化する」から怖いのであれば、過去の時点において従来の季節性インフルエンザでも同様に怖がっていなければ整合性が取れない。一貫性がない。